アメリカ合衆国の規制

 

アメリカ合衆国は連邦制を敷いている国ですので、環境法規制についても、連邦法と州レベルの法律の両方を見ておく必要があります。実際には州の権限が強く、日本における国と地方自治体のような関係とは大きく異なります。 化学物質に関する規制も特定の州で施行されて後、連邦全体に広げられるものも少なくありません。カリフォルニア州などは規模としても大きな位置付けを持っていますが、規制面でも先行することが多いため、ここの州法は特に重要と位置付けられます。

更に詳しい情報については、メンバー登録の上、閲覧ください。


FIFRA(連邦 殺菌・殺虫・殺鼠剤法)

アメリカ合衆国(U.S.A.)では、欧州におけるBPR(殺生物性製品規則)に類似した規制として、このFIFRAという法律がある。

 

FIFRAでは殺虫(殺生物)剤(若しくは、殺生物作用を意図したデバイス)の流通、販売及び使用に対する連邦レベルでの規制内容を規定している。 以下FIFRAで引用する場合、殺虫剤は欧州のBPRでいうところの「殺生物性製品」に非常に類似した概念である。

 

なお、欧州のBPRで物質や混合物への要求と処理されたアーティクルへのそれが異なるように、FIFRAでもいわゆる殺生物剤(物質や混合物)とデバイスに対する要求は異なっている。

規制されるデバイスの例としては以下のような製品がある。

  • 電磁界の作用を用いて殺生物性を訴求しているデバイス
  • 紫外線殺菌、オゾン発生器、超音波デバイス等で殺生物性訴求をしているもの

これらにはカビの防止など、細菌やウィルスの抑制を謳ったものも含まれる可能性が高い。

 

また、米国内で流通若しくは販売される殺虫剤等はすべてEPA(米国環境保護庁)により登録(免許)が求められる。

EPAがFIFRAに基づき殺虫剤に対する登録免許を与える迄に申請者は、とりわけ仕様書通りに殺虫剤を使用した場合に「環境に対して違法な悪影響/副作用を生じさせない」ことを示しておかなければならない。

 

FIFRAにおいて、環境に対して違法な悪影響/副作用を生じさせないとは:

(1)その経済的、社会的及び環境側面にかかる費用と、ある殺虫剤を使用することによる利益を考慮した上での人若しくは環境に対するあらゆる不当なリスク、

(2)「連邦食品、薬品及び化粧品法」の第408節における基準に違反するあらゆる食品に含有若しくは表面に付着した殺虫剤(防腐剤なども含む)の使用の結果として生じる残留物によるヒトの摂食のリスク

(以下省略)

 


州法

カリフォルニア州法

以下に例示として、包装容器に関するRPPC法についての情報を引用しています。


硬質プラスチック包装容器の事例についてのビデオの説明文より引用

 

硬質プラスチック包装容器(RPPC)とは何か?

 

RPPCの要素としては、5つのことを挙げることができる。

RPPCとは、(1)(容器の付随的な部分を除いて)全体がプラスチックでできており、(2)比較的曲げることが困難な形、性状をしており、(3)最少で8オンス(236.584 ml)の容積(若しくは体積)から最大5ガロン(19 l)の容積(若しくは体積)を有し、(4)(生産工程での閉止を含め)少なくともひとつ以上の閉じ口(封止部分)を有し、(5)小売業者による販売、並びに代理店、卸売業者及びインターネットを通じた遠隔地からの販売を含め、カリフォルニア州内での販売、若しくは提供の為に供される製品を包み込むもの(容器)を云う。

 

RPPCとして規制されるものの例としては、バケツ、桶(たらい)、手桶、管()、円形物、水差し、ボトル(広口のもの、及び/または首の部分が狭いものを含む)、クラムシェル(二枚貝状のもので:熱着シールされるもの、及び/又は再密着のできるもの)及び、折り畳み式のプラスチック製の箱(カートン)が含まれる。

 

ここでの説明の目的に照らし、(我々は)ここに例示されたRPPCの全てがカリフォルニア州内で販売されており、その体積が8オンスから5ガロンの容量要求事項における条件を満たしているものと考えている。

 

規制対象となる容器について、ここでは幾つかの例示をしようと思う:

金属製のハンドルと蓋の付いた5ガロンタイプのバケツ、取手の付いた水差し、加熱成形されたトレイ、開け閉めのできる一本のチューブ()及び(被包装物の)加工工程で封止される一本のチューブ。

 

これらの容器は、それらすべてが(金属製ハンドルのような容器の付随的な一部を除いて)全体がプラスチックでできており、比較的剛性があり、最少で8オンスから最大5ガロンの容積を有し、少なくともひとつ以上の閉じ口がある為、RPPC規制において対象となる場合の判定基準を満たさなければならない。

 

旧来のRPPCの定義においては、付随的な非プラスチック部分についてはこの法律は適用されなかった。新たな定義においては、これらの容器は規制の対象となる。

 

更に、(被包装製品の)加工工程で密閉され、改めて開封密閉のできないタイプの容器は以前は規制されていなかった。新しい定義においては、これらの容器も法規制の対象となる。

 

ここで示されるプラスチック製カートンは広げる(展開する)ことができ、輸送の際、平らにして使いことができ、それによって製品を内側に包む(包装する)ことができる・・・が、RPPC対象容器としてはなお検討が必要である。

 

これらのタイプの容器はRPPCでは規制されない:

この繊維補強された容器は、完全にプラスチックでできていないのでRPPC容器ではない。 このバケツは、全体としてプラスチックでできているが、RPPC規制の対象ではない。   このケースでは、容器には蓋がなく、その為、「少なくとも一カ所の閉止部分がある…」を満たしていない。

 

RPPC規制について更に情報が必要な場合は以下のウェブサイトにアクセスしていただきたい。

http://www.calrecycle.ca.gov/Plastics/RPPC/

 

日本の産業界で懸念されているのは、製品、部品の包装として「クラムシェルタイプ」の包装様式が幅広く採用されていることです。 ブリスタパック方式は二枚貝のような形で、それらを覆っているとこの規制の対象になる恐れがあります。また電子部品などをパッケージしているチューブ状のものもこの規制に触れる可能性もあります。

 


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